可愛くて聴きやすいポップトロニカな一枚。(評価: )
彼が紡ぎ出す楽曲は、ただ売れ筋チャートを追うだけの音楽生活に飽きた人々に新鮮な驚きを与えるだけの力があるに違いないと信じている。とはいえ、この手のシンプルな楽曲は、ある程度聴き込むとマンネリ化してしまうのが早いというのが難点。過去の楽曲と似たようなフレーズや、曲の雰囲気が重なる場面も見受けられる。
その一方で、例えば楽曲の順番やリズムパートに変化をつける新たな工夫などに、そういったマンネリ化を避けようとする足跡が確かに聴き取れるのも事実だ。それは、彼のささやかな努力とアーティストとしての成長の姿に、可憐な音の粒が優しく応えてくれた成果ではないだろうか。彼の作品に単なる「癒し系」で消費されてしまうには勿体無い個性を感じる理由は、楽曲を通じて透けて見える、彼のアーティストとしての良心のようなものに惹かれているからかも知れない。
このアルバムは、エレクトロニカを初めて聴く人や、誰かに恋している人にお薦めしたい。雑貨屋さんで可愛いアイテムを買うような気分で、難しいことは考えず、気軽に手にとってみてほしい。作り手の温かい気持ちがこもる楽曲の数々が、あなたを優しく包み込むことだろう。
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